診療のご案内

対象疾患と治療法

眼形成・眼窩・涙道外科では、眼球付属器(眼の周囲組織)をその対象とし、良好な視機能を保持するために、眼球以外の眼部組織の病的状態を改善することを目的として診療を行っております。視機能のない義眼床の形成は特殊な目的となりますが、これも眼形成・眼窩・涙道外科に含まれます。甲状腺眼症や眼窩炎症性疾患などの炎症性疾患に対しては、消炎を目的としてステロイド治療などの内科治療も行います。

主な対象疾患

眼球付属器疾患全般に満遍なく対応しております

眼瞼下垂(退行性、先天性、他)、上眼瞼内反症、下眼瞼内反症、睫毛乱生、上眼瞼皮膚弛緩、下眼瞼形成、眉毛下垂、外反症、眼瞼後退・兎眼症、多発眼瞼裂傷、眼瞼けいれん

甲状腺眼症、眼窩壁骨折、眼瞼腫瘍、眼瞼悪性腫瘍、眼窩良性腫瘍、眼窩悪性腫瘍、眼窩炎症性疾患、眼腫瘍、結膜腫瘍、無眼球症

涙小管閉塞、鼻涙管閉塞、慢性涙嚢炎、先天鼻涙管閉塞

霰粒腫、翼状片、結膜弛緩症

主な治療法

甲状腺眼症:

炎症のある場合には、ステロイド治療や放射線治療、合併症に対しては手術治療を積極的に行っています。

ステロイド治療は、原則、入院の上、パルス治療を行います。放射線治療は、ステロイド治療で入院中に同時に行うことがほとんどです。

眼窩減圧術は、術後の眼球運動障害が少ない「外側深部減圧」を第一選択として行っております。本邦では当科が中心となって行っている術式です。

甲状腺眼症で頻繁に遭遇する上眼瞼後退、下眼瞼後退に対する手術では、独自の改良を加えたより効果的な術式を採用し、また、美容外科的に配慮した手術を行っております。

甲状腺眼症では眼の動きが悪くなることがありますが、このような状態に対して、斜視の手術を積極的に行っています。

涙道疾患、新生児・乳児の流涙:

涙道閉塞に対する手術では、皮膚に傷が残らず、内視鏡を使って鼻の中から行う涙嚢鼻腔吻合術・鼻内法をほぼ全症例に行っています。再発率はかなり少なく、2~3%です。軽度の涙道閉塞や狭窄に対しては、涙道内視鏡を用いた再建術を行っています。

生後1年以内にほとんどが治癒するため、経過観察を第一選択としております。経過中、めやにが出ることがありますが、その原因は涙道の閉塞であり、また、小児はMRSAなどの耐性菌を生じやすいため、抗生物質点眼は極力控え、使用する場合も1週間を限度としています。

稀な状態に涙嚢ヘルニアがありますが、この場合には手術が必要となります。

眼瞼下垂や下眼瞼内反症等の眼瞼疾患:

当科から多数の論文を報告しており、また、解剖学的エビデンスや発症病理に基づいた手術を行っているため、良好な手術成績をあげております。

眼瞼下垂手術においては、生理的な上眼瞼のカーブの作成等、美容外科的に配慮した手術を心がけ、また、眼に優しい手術を行っております。

下眼瞼内反症手術に関しては、独自の改良によって低い再発率を誇っています。

外傷や先天性の醜形の修正も行っています。レックリングハウゼン病による顔の醜形も手術が可能です。

義眼床形成:

眼球内容除去術後の義眼床形成では、眼球後極切開を併用するため、可及的に大きな義眼台の挿入が可能です。この眼球後極切開を併用した義眼床形成術は、本邦では当科だけが行っています。

Pegを用いた可動性義眼は義眼台脱出の可能性が非常に大きいので行っておりません。

小児の眼球摘出後には、眼窩の発育を促すために、徐々に大きな義眼を装着する必要があります。また、適切な義眼床を形成しなければなりません。当科では発育に応じた義眼床形成、義眼作成を行っています。

眼瞼腫瘍の切除、再建:

病理検査の結果を確認しながら行うため数回の手術を必要としますが、通常、局所麻酔下で行い、ほとんどの場合で日帰り手術が可能です(遠方の方は入院治療も可能です)。

眼窩腫瘍に対する治療:

手術では、切開線を目尻におくswinging eyelid アプローチや経重瞼線アプローチ、経涙丘アプローチなどを用いるため、術後の傷は最小限に抑えられ、また、広い術野を確保できるため、より安全、確実な手術が可能となっております。

Swinging eyelid アプローチや経涙丘アプローチによる眼窩腫瘍摘出術は本邦では当科だけで行われている術式です。

特発性眼窩炎症やIgG4関連眼疾患などの炎症性疾患に対しては、CTやMRI、採血等の検査を行い、ステロイド治療等を行います。

眼窩壁骨折:

エビデンスに基づいた手術適応基準に照らして手術または経過観察を決定しおります。手術は、診察後、迅速に対応しています。

※ 眼の周囲は美容的に重要な部位であるため、美容外科的に配慮した手術を行っておりますが、健康保険で治療を行うため、美容外科は扱っておりません。

  • 日本眼形成再建外科学会 Japanese Society of Ophthalmic Plastic and Reconstructive Surgery ; JSOPRS
  • APSOPRS Asia Pacific Society of Ophthalmic Plastic & Reconstructive Surgery
  • APSOPRS & JSOPRS Joint Meeting during August 26 - 27, 2016 in Osaka, Japan